税務関係情報

一覧にもどる

2024-05-29

企業の安全性をはかる安全性分析を解説

安全性分析とは、企業の経営の安定性と財務健全性を決算書の内容から分析する手法です。安全性分析の代表的な指標として「流動比率」、「当座比率」、「自己資本比率」、「固定比率」の4つの指標があります。以下では、計算方法と各指標の特徴について紹介します。


●「流動比率」とは
  【流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100】
 流動比率は短期的な企業の資金繰り状況を示す指標で、1年以内に返済する必要がある流動負債を1年以内に現金化できる流動資産でどれだけ賄うことができるかを示します。一般に流動比率は200%以上が理想とされています。


●「当座比率」とは
  【当座比率(%)=当座資産(現金預金+受取手形+売掛金+有価証券)÷流動負債×100】
 当座比率は不良在庫などが含まれる可能性のある棚卸資産を含めずに計算することで、流動比率よりも厳密に短期間で現金化できる資産を把握することができる指標です。
 流動比率よりも実態的な資金繰りの状況を示すため、企業経営における短期的な支払能力を計る指標として重要です。

●「自己資本比率」とは
  【自己資本比率(%)=自己資本÷総資本(自己資本+他人資本)×100】
自己資本比率は資金調達の上での借入依存度を示します。負債(他人資本)によって資金調達している企業はこの割合が低くなりますので、割合が高いほど安全といえます。


●「固定比率」とは
  【固定比率(%)=固定資産÷自己資本×100】
 固定比率は固定資産がどの程度自己資本で賄われているかを示します。固定資産は多額のコストがかかり、長期年月をかけて収益から回収されるため固定資産購入資金は、返済義務のない自己資本によって賄われた方が安全という考え方です。一般に固定比率は100%未満が理想とされています。


以上、企業の安全性分析について解説してきましたが、参考になったでしょうか。
専門的な用語の活用が多いですが、計算式はどれも至って簡単ですので財務諸表を見て実践してみてください。

                                              作成者 木村