税務関係情報

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2022-05-02

人材確保等促進税制について

 令和3年度税制改正により人材確保等促進税制の適用が始まります。
人材確保等促進税制とは、ウィズ・ポストコロナを見据えた事業者の経営革新の実現に向け、新卒や中途採用による外部人材の獲得や人材教育の投資を積極的に行う事業者の法人税又は所得税を控除する制度です。
従来の賃上げ税制では、前年事業年度及び適用事業年度の2年に渡り継続して雇用されている者への給与額を比較する必要がありましたが、人材確保等促進税制では該当年度において新たに雇用した者への支給額を比較することになったため適用しやすくなりました。
 
適用対象者及び適用期間
 青色申告書を提出する全事業者で、適用対象事業年度は令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度です。
(なお、同制度は令和4年改正で令和5年4月1日以後開始事業年度も内容を変えて適用がありますが、詳細は別の月に掲載分で紹介いたします。)
 
適用要件と税額控除額
 ①通常要件:新規雇用者給与等支給額が前年度より2%以上の増加。
  この場合、控除対象新規雇用者給与等支給額の15%を法人税額又は所得税額から控除。
 ②上乗せ要件:上記①に加えて、教育訓練費の額が前年度より20%以上増加している場合には、
  控除対象新規雇用者給与等支給額の20%を法人税額又は所得税額から控除。
  ※ ただし税額控除額は、法人税額又は所得税額の20%が上限。
 
留意事項
 ・新規設立等で前年度がない場合には、同制度は適用できません。
 ・対象者が中小企業者の場合、中小企業向け所得拡大税制との併用はできません。
 ・新規雇用者給与等支給額とは、国内新規雇用者のうち雇用保険の一般被保険者に対し
  雇用日から1年以内に支給する給与等の支給額をいい、
  控除対象新規雇用者給与等支給額とは、適用年度において、国内新規雇用者に対して雇用日から1年以内に
  支給する給与等の支給額をいいますが、新規雇用者給与等支給額との違いは①雇用保険の一般被保険者に
  限らないこと、②雇用安定助成金額を給与等支給額から控除した金額であること
です。