税務関係情報

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2020-11-10

令和2年の所得計算に関する変更事項

令和2年に行う年末調整においては、税制改正にともない、税額の計算方法等に変更が生じます。

基礎控除額の変更
令和2年からの年末調整においては、基礎控除と給与所得控除の金額が変わります。まず、基礎控除はこれまで一律38万円とされていましたが、令和2年からは所得に応じて変動することとされ、合計所得が2,400万円(給与収入で2,595万円)以下の人はこれまでより10万円多い48万円の控除を受けられるようになります。しかし、反対に所得が2,400万円を超えると、控除額は所得に応じて段階的に減額され、所得が2,500万円以上で控除額は0となってしまいます。



給与所得控除額の変更
一方で、給与所得控除については、給与収入が850万円以下の人は、一律10万円の引き下げになります。さらに、給与収入が850万円を超えると、控除額の下げ幅は10万円よりさらに大きくなっていき、給与収入が1,000万円以上の人で最大25万円の引き下げとなります。


改正の意図と影響
お気づきの方も多いかもしれませんが、給与収入が850万円以下の人であれば、基礎控除が10万円増えるかわりに給与所得控除が10万円減額されるので、所得計算上は差引ゼロとなり、税額に与える影響はありません。しかし、給与収入が850万円を超えると、給与所得控除の減額幅が10万円を超え、所得が増えるぶん税額が大きくなります。さらに給与収入が2,595万円を超えると基礎控除も減額となるため、増税幅はさらに大きくなります(下表参照)。このように、一定水準以上の所得がある人を対象に増税となるよう調整することが、今回の改正の狙いと言えます。


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