税務関係情報

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2020-08-03

インボイス制度の留意点

2023年10月1日から、複数税率に対応した消費税の仕入税額控除の方式として「インボイス制度」が導入されます。インボイス制度は、別名「適格請求書等保存方式」といいます。この制度、課税事業者や免税事業者にどのような影響を及ぼすのでしょうか。


適格請求書でないとどうなるのか
2023年10月1日から「適格請求書発行事業者以外の者」の発行する請求書等は、仕入税額控除(課税売上から課税仕入に関する消費税を控除すること)の対象から除外されます。免税事業者は適格請求書発行事業者以外の者であるために免税事業者との取引で支払う消費税は仕入税額控除を受けられず、確定申告での消費税額が増えることとなります。このように課税事業者にとって免税事業者との取引は消費税上不利になりますので、取引を控えるケースも考えられ、結果として免税事業者も大きく影響を受けてしまうかもしれません。


特例として3年間は仕入税額相当額の8割を控除することが可能
インボイス制度導入後、すぐに適格請求書発行事業者以外の者の請求書等を全額仕入税額控除できなくなるわけではありません。2026年9月30日までは仕入税額相当額の8割、同10月1日から2029年9月30日までは5割を控除することが認められています。しかし、段階的に課税事業者の仕入税額控除できる分が減っていくので、課税事業者と取引する免税事業者は状況によっては、何らかの対策を取る方がよいでしょう。

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免税事業者のインボイス制度対策
免税事業者や消費者との取引をメインにしている場合、免税事業者のままでも問題ありません。しかし、課税事業者との取引のために適格請求書を発行するならば、まず自らが課税事業者になった上で適格請求書発行事業者になる必要があります。これはインボイス制度対策の一つではありますが、今後継続して消費税を納めなければならない可能性があります。免税事業者が課税事業者になる場合、メリットとデメリットを鑑み、早めの対策を取るとよいでしょう。